オープンソースの深層学習フレームワークChainer v3 およびNVIDIA GPU向け行列計算ライブラリCuPy v2をリリース
2017.10.17
株式会社Preferred Networks(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:西川徹、プリファードネットワークス、以下、PFN)は、オープンソースの深層学習フレームワークChainer(R)(チェイナー)のメジャーアップデート版となる Chainer v3 およびNVIDIA(R) GPU向け行列計算ライブラリ CuPy™(クーパイ) v2 をリリースしました。
Chainer は、最新の深層学習研究の成果を迅速に取り入れ、3ヶ月ごとにメジャーバージョンアップをしています。今回リリ―スした Chainer v3では、ほとんどのコードを変更することなくそのまま動作可能です。
Chainer v3およびCuPy v2の主な特長は次の通りです。
1. 二階以上の自動微分をサポート
Chainer が自動微分を提供する多くの関数で、二階以上の微分もサポートしました。深層学習において二階微分が必要となる一部の手法が、論文にかかれている数式の通り簡単に実装できるようになります。
2. CuPy のメモリアロケータが改善
多くのニューラルネットにおいてGPU 利用時のメモリ使用効率が大幅に改善され、場合によってはメモリの再アロケーションが抑えられ速度も向上します。
3. CuPy に疎行列のサポートを追加
これまで GPU 上で実装するコストが高かった大規模なグラフ解析や自然言語処理をより簡単に実装することができます。
◆ Chainer ReleaseNote: https://github.com/chainer/chainer/releases/tag/v3.0.0
Chainer v3においても、これまで同様に外部コントリビュータの開発成果を数多く取り入れさせていただきました。PFNは今後も、サポート企業やOSSコミュニティと連携しながらChainerの開発と普及を推進してまいります。
◆ オープンソースの深層学習フレームワークChainerについて
PFNが開発・提供するChainerは、Pythonベースのディープラーニング向けフレームワークとして、“Define-by-Run”の手法を通じてユーザーが簡単かつ直感的に複雑なニューラルネットワークを設計するための高い柔軟性とパフォーマンスを兼ね備えています。2015年6月にオープンソース化されたChainerは、最も普及しているディープラーニング向けフレームワークの1つとして、学術機関だけでなく、ディープラーニングがもたらすメリットを現実世界のアプリケーションや研究に活用するための柔軟なフレームワークを求める産業界の多くのユーザーに支持されています。
Chainerは、最新の深層学習研究の成果を迅速に取り入れ、ChainerMN(分散深層学習)/ChainerRL(強化学習)/ChainerCV(コンピュータ・ビジョン)などの追加パッケージ開発、Chainer開発パートナー企業のサポートなどを通して、各分野の研究者や実務者の最先端の研究・開発活動を支援していくことを目指しています。(http://chainer.org/)
*Chainer(R) およびCuPy™は、株式会社Preferred Networksの日本国およびその他の国における商標または登録商標です。