• Home
  • News
  • オープンソースの深層学習フレームワークChainer および 汎用配列計算ライブラリCuPy の最新版となるv4をリリース

News

オープンソースの深層学習フレームワークChainer および 汎用配列計算ライブラリCuPy の最新版となるv4をリリース

2018.04.17

株式会社Preferred Networks(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:西川徹、プリファードネットワークス、以下、PFN)は、オープンソースの深層学習フレームワークChainerTM(チェイナー)および汎用配列計算ライブラリ CuPyTM(クーパイ) のメジャーアップデート版となるv4 をリリースしました。

Chainer とCuPyは、最新の深層学習研究の成果を取り入れ、6ヶ月ぶりにメジャーバージョンアップをしました。今回リリ―スした最新版 v4では、ほとんどのコードを変更することなくそのまま動作可能です。

 

Chainer およびCuPy v4の主な特長は次の通りです。

● NVIDIA(R) GPU上での高速・省メモリな学習のための機能追加※1

NVIDIA TensorCoreをサポートし、畳込み演算を高速化しました。また、ロススケーリングを実装し、半精度浮動小数点数を用いることによる勾配消失を緩和しました。

● CuPy のインストールが高速化

CuPyのバイナリパッケージの提供を開始し、これまで約10分かかっていたインストール時間を約10秒に高速化しました。

● Intel(R)アーキテクチャ向け最適化

Intel Deep Learning Package (iDeep)※2バックエンドを追加して、Intel CPUでの学習および推論の高速化を実現しました。これにより、当社のベンチマークにおいて、GoogLeNet(画像認識用のニューラルネットワークのひとつ)でのCPU使用時の推論速度が従来比8.9倍に向上※3しました。

● 二階微分をサポートする関数をさらに追加

v3から導入された二階微分のサポート範囲が広がり、最新のネットワークやアルゴリズムを記述する自由度がさらに向上しました。

Chainerでの学習結果をCaffe 形式でエクスポートする機能を追加

Chainerの計算手順と学習した重みをCaffe形式でエクスポートする機能を実験的に追加しました。これにより、Pythonが動かない環境でもChainerの学習結果の利用が容易になります。(ONNX形式へのエクスポートは引き続きonnx-chainerパッケージにて利用可能です)

 

 

ChainerおよびCuPyの開発は、外部コントリビュータの開発成果を数多く取り入れています。PFNは今後も、サポート企業やOSSコミュニティと連携しながらChainerとCuPyの開発・普及を推進してまいります。

 

※1:http://docs.nvidia.com/deeplearning/sdk/mixed-precision-training/index.html

※2:Intel CPU上で深層学習の一般的な演算を高速に実行するためのNumPy互換のライブラリ   https://github.com/intel/ideep

※3:1枚の画像に対する処理時間をiDeep有効時・無効時で比較した結果。いずれの条件でもMKL(Intel Math Kernel Library)は有効。CPUは Intel Xeon(R) CPU E5-2623 v3 を使用。

 

オープンソースの深層学習フレームワークChainerについて

PFNが開発・提供するChainerは、Pythonベースのディープラーニング向けフレームワークとして、“Define-by-Run”の手法を通じてユーザーが簡単かつ直感的に複雑なニューラルネットワークを設計するための高い柔軟性とパフォーマンスを兼ね備えています。2015年6月にオープンソース化されたChainerは、最も普及しているディープラーニング向けフレームワークの1つとして、学術機関だけでなく、ディープラーニングがもたらすメリットを現実世界のアプリケーションや研究に活用するための柔軟なフレームワークを求める産業界の多くのユーザーに支持されています。

Chainerは、最新の深層学習研究の成果を迅速に取り入れ、ChainerMN(分散深層学習)/ChainerRL(強化学習)/ChainerCV(コンピュータ・ビジョン)などの追加パッケージ開発、Chainer開発パートナー企業のサポートなどを通して、各分野の研究者や実務者の最先端の研究・開発活動を支援していくことを目指しています。(http://chainer.org/

Contact

お問い合わせはこちらまで。