深層学習の初心者向けに、日本語の オンライン学習資料「ディープラーニング入門:Chainer チュートリアル」を無料公開
2019.04.10
株式会社Preferred Networks(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:西川徹、プリファードネットワークス、以下、PFN)は、深層学習の初心者向けに、オープンソースの深層学習フレームワークChainerTM(チェイナー)の使い方などを解説する、日本語のオンライン学習資料「ディープラーニング入門:Chainer チュートリアル」(以下、Chainer チュートリアル)を無料公開しました。深層学習の基礎から実践まで、Chainer を使いながら、コーディングと理論を一緒に学んでいくことが可能です。
Chainer チュートリアルは、機械学習や深層学習に興味があり、その仕組みや使い方を理解したいと考えている大学生や社会人の方に向けて書かれた深層学習の初心者向けオンライン学習資料です。大学の授業や企業研修、商用セミナーなどで広く利用されることを想定し、誰でも無料で使用することが可能です。
機械学習の勉強を進めるために必要な数学の基礎から、Python というプログラミング言語を用いたコーディングの基本、機械学習・深層学習の基礎的な理論、画像認識や自然言語処理などに機械学習を応用する方法に至るまで、幅広いトピックを解説しています。
深層学習を学ぶために必要となる前提知識からステップを踏んで解説することで、深層学習を初めて学ぶ人でも挫折せず進められるよう工夫され、このChainer チュートリアルだけで必要な知識を一通り得ることができます。
また、本チュートリアルでは、Google Colaboratory※1を利用することで、資料の中に登場するコードをそのままブラウザ上で実行できます。ブラウザだけでコードを書き、実行して、結果を確認できるので、説明に使われたサンプルコードを確かめるために、手元のコンピュータで環境構築を行う必要はありません。
ディープラーニング入門:Chainer チュートリアル URL https://tutorials.chainer.org
コンテンツ(2019年4月10日公開時点)
【Step1 準備編】
- はじめに
- Python 入門
- 機械学習に使われる数学
- 微分の基礎
- 線形代数の基礎
- 確率・統計の基礎
【Step2 機械学習とデータ分析入門】
- 単回帰分析と重回帰分析
- NumPy 入門
- scikit-learn 入門
- CuPy 入門
- Pandas 入門
- Matplotlib 入門
【Step3 ディープラーニング入門】
- ニューラルネットワークの基礎
- Chainer の基礎
- Chainer の応用
- トレーナとエクステンション
今後は応用編として、Step4 画像認識、Step5 自然言語処理、Step6 深層強化学習、Step7 デプロイを追加していく予定です。
PFNはこれからも最先端の深層学習技術の研究開発をおこなうとともに、すべての人が技術の可能性と課題を正しく理解するための学習コンテンツの制作、情報発信を継続していきます。
※1:Google Colaboratory は、Jupyter Notebook というブラウザ上でコードを書き、その場で実行結果を確認したり、Markdown と呼ばれる文章を記述するためのマークアップ言語を使ってメモや解説などを書くことができ、LaTeX 形式の数式もきれいにレンダリングして表示することができる、オープンソースのウェブアプリケーションです。
- オープンソースの深層学習フレームワークChainerTMについて
PFNが開発・提供するChainerは、Pythonベースのディープラーニング向けフレームワークとして、“Define-by-Run”の手法を通じてユーザーが簡単かつ直感的に複雑なニューラルネットワークを設計するための高い柔軟性とパフォーマンスを兼ね備えています。2015年6月にオープンソース化されたChainerは、最も普及しているディープラーニング向けフレームワークの1つとして、学術機関だけでなく、ディープラーニングがもたらすメリットを現実世界のアプリケーションや研究に活用するための柔軟なフレームワークを求める産業界の多くのユーザーに支持されています。
Chainerは、最新の深層学習研究の成果を迅速に取り入れ、ChainerRL(強化学習)/ChainerCV(コンピュータ・ビジョン)/ChainerUI(学習ログの可視化)/Chainer Chemistry(化学、生物学分野のための深層学習ライブラリ)などの追加パッケージ開発、Chainer開発パートナー企業のサポートなどを通して、各分野の研究者や実務者の最先端の研究・開発活動を支援していくことを目指しています。(http://chainer.org/)