気象研究所と夏季の竜巻探知手法の開発契約を締結
2019.12.17
株式会社Preferred Networks(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:西川徹、プリファードネットワークス、以下、PFN)は、気象庁気象研究所(茨城県つくば市、以下、気象研究所)が実施する「AIを用いた竜巻等突風・局地的大雨の自動予測・情報提供システムの開発」の契約先として、その中核技術となる夏季の竜巻探知技術の開発を開始しました。
日本では近年、竜巻発生確認数が毎年20件を超えており、竜巻を素早く的確にとらえ危険を回避するための気象予測情報は、自然災害リスクを減らすために非常に重要です。特に、夏季の竜巻は活発な対流をおこす積乱雲にともなって発生するため、周囲に見られる複雑な風向きの多様なパターンから、ごく小さなエリアで局地的に発生する竜巻渦だけを正確に自動検出することはこれまで困難でした。
このたびPFNは、気象研究所より、全国各地に設置する気象レーダーで観測したドップラー速度データ*1の提供を受け、深層学習を用いて、どこで竜巻が発生しているかを正確かつ自動的に検出する新たな手法の開発を開始しました。
鉄道をはじめとする様々な高速交通、さらには突風の影響を受けやすい様々な分野に迅速に情報を提供することで、安全性向上につながると期待されます。
*1:ドップラーレーダーによって、上空の降水粒子からの反射波を用いて、上空の風を観察できる
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竜巻検知技術のイメージ(気象研究所提供):気象レーダーで観測したドップラー速度パターンから、深層学習を用いて、竜巻をもたらす可能性のある渦パターンを高精度に自動検出します。