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Preferred Networksの深層学習用スーパーコンピュータMN-3、省電力性能の前回記録を23.3%更新

26.04 Gflops/Wの超省電力性能を実現し、Green500リストで世界2位にランキング

2020.11.17

追記 (2020/11/20)
2020/11/18 (日本時間)、Green500で最も厳密な「Level 3」の計測基準を満たしたスーパーコンピュータの中で、MN-3が世界1位の省電力性能に認定されました。詳しくは以下の説明をご覧ください。

株式会社Preferred Networks(本社:東京都千代田区、代表取締役 最高経営責任者:西川徹、プリファードネットワークス、以下、PFN)と国立大学法人神戸大学(本部:神戸市灘区、学長:武田廣、以下、神戸大学)は、 PFNのMN-3が、26.04 Gflops/W*1(1W・1秒あたり約260億回の演算)の省電力性能を実現したことを発表します。これは、前回のスーパーコンピュータの省電力性能ランキングGreen500リスト*2でMN-3が達成した世界記録を23.3%上回るものです。なお、MN-3は、本日(日本時間)発表された最新のGreen500リストで世界2位にランキングされました。

PFNの深層学習用スーパーコンピュータMN-3

MN-3は、PFNと神戸大学が共同開発した超低消費電力の深層学習用プロセッサーMN-Core™を搭載し、PFNが構築した深層学習用スーパーコンピュータです。PFNは、2020年5月にMN-3の試験稼働を開始し、継続的にシステムの効率化、高性能化を目指してソフトウェアスタックの開発に取り組んできました。

今回の測定に使ったシステムは、MN-3全体のうち32ノード、MN-Core128個です。メモリ転送(メモリ間のデータ移動)および命令処理の効率化を進めたことが大きく寄与し、より高い演算性能を、より少ないノードとプロセッサーで実現しています。これは、PFNが従来から得意とするソフトウェア技術によって、MN-CoreおよびMN-3の性能を最大限引き出した結果です。

PFNは今後、MN-3向けのソフトウェア開発を進めることで、自動運転、ロボティクス、創薬をはじめとするPFNの様々な研究開発にMN-3を活用していく予定です。

今回の測定に使ったシステム構成および演算性能は次の通りです:

https://www.top500.org/system/179806/
(リンク中のCores: 1,664の内訳はMN-Core 128個、Intel Xeon CPU 1,536個です。HPLベンチマークでは主にMN-Coreが演算を担当しています)

*1:プログラム実行において、1Wの電力で実行できる浮動小数点演算回数(単位は1秒あたり10億演算)であり、省電力性能の目安となる。

*2:これからのスーパーコンピュータはエネルギー効率が最重要である、という見地から、2005 年に始まったプロジェクト。バージニア工科大学の Feng 教授を中心とするグループが 2007年11月から年 2回発表している。対象となるのはHPLベンチマークでTOP500 にランク入りしたシステムで、演算性能/消費電力比で順位が決まる。

追記 (2020/11/20)

2020年11月18日(日本時間)、Green500で最も厳密な「Level 3」の計測基準を満たしたスーパーコンピュータの中で、MN-3が世界1位の省電力性能に認定されました。Green500の計測基準についての詳細は、MN-3開発チームによるブログ記事をご覧ください:

MN-3の高精度電力計測にむけた取り組み | Preferred Networks Research Blog

Green500のCertificate (Level 3計測システムにおける世界1位)

PFNは今後も各社と切磋琢磨することで、大規模クラスターの省電力技術の向上に努めてまいります。

11月16日にPFNが開催したMN-3に関する記者説明会の録画アーカイブはこちらをご覧ください:

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