機械学習向けハイパーパラメータ自動最適化フレームワーク Optunaの最新版となるv3を公開
v2リリース時から、月間ダウンロード数14倍、Star数2.5倍に拡大
2022.08.29
株式会社Preferred Networks(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:西川徹、プリファードネットワークス、以下、PFN)は、オープンソースのハイパーパラメータ自動最適化フレームワークOptuna™(オプチュナ)のメジャーアップデート版となるOptuna v3.0を本日公開しました。
Optunaは、v2.0リリース時と比べて、ダウンロード数は約14倍にあたる月間143万回以上、GitHubリポジトリのStar数は約2.5倍にあたる6800 starsに到達しています。さらに、開発者コミュニティも大きく拡大しており、v2.0のリリース以降、77名がOptunaの開発に参加し、合計1225個のプルリクエストが作成されました。こうした外部開発者の協力もあり、最新版のv3.0では、様々な新機能の追加と改良、バグの修正がおこなわれ、新しい最適化アルゴリズムをサポートすることでより効率的なハイパーパラメータ探索が可能になりました。
Optuna v3.0の主要な新機能や取り組みは以下の通りです。
- 最適化アルゴリズムTPEでの制約条件指定が可能に
Optunaが標準的に利用する最適化アルゴリズムであるTPEが制約付き最適化に対応しました。探索したいパラメータの条件(制約)を明示的に指定することで、より効率的にハイパーパラメータの探索ができます。 - よりシンプルなユーザーインターフェイス
ハイパーパラメータの探索範囲を指定するためのインターフェイスであるSuggest APIに改善を加えたことにより、より直感的にOptunaを利用できます。 - 最適化アルゴリズムの大規模な性能検証を実施
PFNが所有する大規模計算クラスタを利用して7000CPU並列で3日間の時間をかけて、170種類以上のベンチマーク関数に対してOptunaのアルゴリズムの性能検証を行いました。これにより、ユーザーは安心してOptunaを使うことができるだけでなく、個別のニーズに合わせてアルゴリズムを選択しやすくなりました。
PFNは、社外からOptunaの開発に参加してくれる開発者の方々と協力しながら引き続きOptunaの開発に取り組み、先進的な機能の試作・実装を精力的に進めていきます。
Optunaについて
Pythonで書かれたハイパーパラメータ自動最適化フレームワークOptunaは、様々な機械学習ソフトウェアと一緒に使用することで、アルゴリズムの挙動制御やモデルの精度向上につながる最適なハイパーパラメータを発見するための試行錯誤を自動化することができます。PFNが2018年12月にオープンソースとして公開して以来、多くの外部コントリビュータが参加して活発に開発が進められています。
2022年4月に開催された、クジラやイルカの個体識別コンペティションKaggle Happywhaleに参加したチームPreferred Dolphinの優勝に大きく貢献したほか、世界中で様々なプロジェクトに活用されています。