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PFN、深層学習を高速化するプロセッサーMN-Core 2の開発および、MN-Coreシリーズのクラウドサービス構想を発表

2023年春からPFNのパートナー企業向けにMN-3の計算資源を提供し、順次設備とユーザーを拡大予定

2022.12.14

株式会社Preferred Networks(本社:東京都千代田区、代表取締役 最高経営責任者:西川徹、プリファードネットワークス、以下、PFN)は、深層学習を高速化するディープラーニング・プロセッサー MN-Core™ 2(エムエヌ・コア・ツー)を、東京ビッグサイトで開催されている SEMICON Japan 2022のキーノート講演において本日発表しました。

深層学習の実用化は様々な分野で進展しており、それに応じてこれまで以上に多様かつ、大規模な計算処理が求められるようになっています。

PFNでは、2020年から稼働しているMN-Coreを搭載したスーパーコンピュータMN-3を活用して、材料化学やロボティクスなどの新分野において深層学習を応用した革新的な技術の開発および高速化に取り組んできました。今後、現実世界のより複雑な課題を解決していくには、深層学習モデルの精度と演算速度をさらに向上させる必要があり、継続的な計算資源の確保と効率化が重要になります。PFNは、その取り組みをさらに発展させるため、深層学習のワークロードに最適化したMN-Coreの後継機として、さらに小型で世界最高水準の電力性能(消費電力あたりの演算性能)を持ったディープラーニング・プロセッサーMN-Core 2を開発*1、量産化を進めています。

MN-Core 2は7nmのプロセッサーとして開発され、12nmで開発されたMN-Coreと比較してラック*2あたりの演算性能が約3倍、電力性能(GF/W)が約33%向上しています。すでに画像認識や材料探索など、PFNの実用的なワークロードにおいてMN-Core 2の動作確認が完了しており、今後深層学習モデルのさらなる精度向上と高速化が期待できます。

PFNでは、2024年度中の稼働に向け、MN-Core 2を搭載した新しい大規模クラスターMN-4を構築する予定です。

また、PFNは2023年春を目途に、PFNのパートナー企業向けにMN-3の計算資源の提供を開始します。さらに将来的には、MN-Coreシリーズをクラウドサービスとして提供し、順次ユーザーを拡大していく予定です。

株式会社Preferred Networks 代表取締役 最高経営責任者 西川徹のコメント

PFNは、2020年に稼働を始めたMN-CoreおよびMN-3の検証、ソフトウェアスタックの開発を進め、実用的な深層学習ワークロードにおいて顕著な成果を上げてきました。これまでは自社プロジェクトでの活用に制限してきましたが、今後は、この世界最高水準の電力性能を持つMN-Coreシリーズをより困難な課題を共に解決していくため、パートナー企業様から始めて一般の企業にも順次提供していきます。

MN-Coreシリーズについて

MN-Coreシリーズは深層学習の特徴である「行列演算」に最適化した専用チップで、PFNが神戸大学の牧野教授グループと共同開発しました。チップの演算器数を最大化するため、ネットワーク制御回路やキャッシュコントローラ、命令スケジューラなどの機能を内包せず、コンパイラにその機能を持たせて最小限の機能に特化することで、コストを抑えながら、深層学習における実効性能を高めています。MN-Coreを搭載して2020年に稼働したPFNのスーパーコンピュータMN-3は、2020年6月から2021年11月までの間、スーパーコンピュータの省電力性能ランキングGreen500で3度世界1位を獲得しています。

 

*1: この取り組みは、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託業務の成果です。

*2:データセンターでコンピュータを設置する什器。同一ラックにより多くのMN-Core 2を搭載することで設置スペースあたりの計算力を向上可能。

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