PFNのスーパーコンピュータを活用して創薬研究における低分子化合物の結合活性値を高精度に予測する計算サービス P-FEP を提供開始
4月17日から東京ビッグサイトで開催されるファーマIT&デジタルヘルスエキスポ2024に出展
2024.04.16
株式会社Preferred Networks(本社:東京都千代田区、代表取締役 最高経営責任者:西川徹、以下、PFN)は、低分子化合物の結合活性値を高精度に予測するソフトウェアを独自開発し、PFNが所有するスーパーコンピュータを使って結合自由エネルギーを計算する新サービスP-FEP(ピー・フェップ)として、本日提供を開始します。
コンピュータを使ってあらかじめ低分子化合物の結合自由エネルギーを正確に見積もることは、創薬研究の効率化において非常に重要です。結合自由エネルギー計算は、ヒット化合物を見つけるためのインシリコスクリーニングや、より強い生物活性をもつ化合物を絞り込んでいくヒット化合物最適化およびリード化合物最適化の手法の一つとして広く用いられています。
結合自由エネルギー計算サービス P-FEP は、PFNが所有するスーパーコンピュータ上で完結する受託計算サービスであるため、計算環境や専用ソフトウェアの手配、計算化学の専門家による計算準備などの工数が不要です。ユーザー企業は、自社で設計したリガンド化合物(特定のタンパク質と特異的に結合する低分子化合物)を用意するだけで、短期間で結合自由エネルギーの予測計算結果を得ることが可能になります。
結合自由エネルギー計算サービスP-FEPについて
ブログ「P-FEP (RBFEP計算サービス) 提供開始」他、PFNの創薬に関するブログ記事一覧:
https://tech.preferred.jp/ja/tag/drug-discovery/
分子動力学法に基づく自由エネルギー摂動法(free energy perturbation: FEP)をもとに、PFNが独自開発した結合自由エネルギー(ΔGbind)を高精度に予測するサービスです。
既知FEP用ベンチマークセットを使用したP-FEPの計算予測精度
J.Am. Chem. Soc. 2015, 137, 2695
J.Chem. Inf. Model. 2020, 60, 5457
- すべての計算をPFNが保有するセキュアなスーパーコンピュータ上で実行するため、多量の化合物の活性予測も短期間で実現可能
- 膜タンパク質を含む一般的に使用されているベンチマークデータセットに対して高い予測精度を実現(上図)
- ENEOS株式会社と共同開発したNeural Network Potentialを用いて改良した低分子化合物用力場パラメーターを使用できるなど、様々な最先端技術を実装
- 計算に使用する力場を変更するなど、計算条件を柔軟に変更することが可能
ファーマIT&デジタルヘルス エキスポ 2024 出展概要
PFNは、2024年4月17日(水)~19日(金)まで東京ビッグサイト 東4ホールで開催されるファーマIT&デジタルヘルス エキスポ 2024にブースを出展し、P-FEPをはじめとした創薬支援サービスなどを紹介します。
https://www.pharmait-expo.com/
PFNブース(4P-19)
- 会期:2024年4月17日(水)~19日(金)10:00~17:00
- 会場:東京ビッグサイト 東4ホール ベンチャー/スタートアップエリア ブース:4P-19
ファーマIT ベンチャー&スタートアップセミナー「NEDO・J-Startup特別ピッチ」
- 日時:2024年4月18日(木)15:00‐16:00(PFNは15:10~15:20ごろ登壇予定)
- 会場:東4ホール内 4D会場
- タイトル:Preferred Networksが取り組むデジタル創薬 ~From Molecule to Real World Data~
- 講演者:株式会社Preferred Networks
水野 和恵(Healthcare & Wellness エンジニアリング・マネージャー兼リサーチャー)