PFNは、自社で開発したPyTorch向けライブラリpytorch-pfn-extrasの中でも特に有用なLazy Modulesや高速なDataLoaderなどの機能をPyTorch本体にコントリビュートしており、PyTorch公式ブログに技術記事を寄稿するなど、PyTorchコミュニティに貢献しています。

ChainerはPFNが2015年6月にオープンソース公開したPythonベースの深層学習フレームワークです。Chainerが先駆けて採用したdefine-by-runによるモデル記述手法は、複雑なニューラルネットワークを直感的かつ柔軟に構築できることから、研究者・開発者コミュニティの支持を集め、PyTorchを初めとする主要な深層学習フレームワークのスタンダードな方式として広く取り入れられ、深層学習技術の発展を加速させる一翼を担いました。Chainerは2019年12月リリースのv7以降はメンテナンスフェーズに入り、PFNは深層学習の研究開発基盤をPyTorchに移行しました。現在もPFNは、Chainer開発を通じて得られた知見を生かし、FacebookおよびPyTorchコミュニティと密接に連携することで、Chainerの開発思想とその優れた機能を引き継いでいきます。