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日本発のチップを世界へ。新卒入社のMN-Core ソフトウェアエンジニアの挑戦

MN-Coreコンパイラチーム エンジニア

諸戸・宮本

※本記事は2024年12月に取材したものです。サービス名称や所属は取材当時の内容です。

PFNが独自開発する省電力AIプロセッサーMN-Core™のコンパイラチームに所属するエンジニア、諸戸と宮本。2人は2024年に新卒で入社し、現在はMN-Core の計算処理高速化業務に従事しています。この記事では2人がPFNに入社した経緯、コンパイラチームでの仕事内容のほか、仕事の魅力やチップソフトウェア開発について紹介します。最後に学生の方へのメッセージも添えています。

「高速化」への情熱をプロダクトへ。
自身の知見を活かして入社。決め手はPFNならではの魅力

(▲左:諸戸、右:宮本)

諸戸がMN-Core ソフトウェアのエンジニアになったきっかけを語ります。

諸戸「学部時代はHPCの研究室でアルゴリズムチームに在籍していました。いわゆるスーパーコンピュータなどを扱っている領域です。修士、博士課程ではコンピュータグラフィックス、特に画像処理フィルタの高速化を専攻していました。スパコンとグラフィックスですとまったく違う畑に聞こえるかもしれませんが、ともに【高速化】というところに私の一番の興味がありました。この【高速化】という文脈で、競技プログラミングなどによるアルゴリズム高速化や、ほかにも低レイヤーまわり、例えば AVX や CUDA などを用いた並列化やアセンブリ列やメモリ帯域を意識した高速化をしていました。他にもセキュリティキャンプでの言語自作や、高速でロバストなネットワークプロトコル自作、アセンブリゴルフなどもやっていました」

【高速化】を軸にあらゆる活動をしていた諸戸。PFNへの就職のきっかけは次のようなものがありました。

諸戸「MN-core 事業の仕事内容と、自分の研究や活動が近かったことが、PFNへの入社を決めた大きな理由です。ここなら自分のこれまでの経験や知見を存分に活かせるし、高速化への技術的挑戦をし続けられると思いました。インターンの際に高速フーリエ変換をMN-Core向けに実装したのですが、当時の一般的なGPU実装と比べて6-7倍速いものができました。MN-Core は本来 ML 用途に特化した設計のチップですが、他のタスクでもこれだけのことが、しかも国産設計のチップでできるのはすごいなとわくわくした記憶があります」

一方の宮本は、学生時代の専攻や専門との親和性は高くなかったと言います。それでもPFNへの就職に迷いはなかったといいます。

「攻めたプロダクト」を作る――コンフォートゾーンからすこし抜けた日常で得るもの。

宮本「私の場合は、学部時代は数理最適化大学院では数値流体力学を専攻していました。諸戸の【高速化】のような軸があるというよりも、広くプログラムに触れる中で、自分が触って面白いと思えるコンテンツを作ったり、技術ブログで解説したりするなどの活動を行っていました。ゲーム開発もしていましたね」

幅広くコンピューターサイエンスに触れた宮本。新卒での就職先にPFNを選んだ理由を語ります。

宮本PFNの事業の広がりが、自分の興味のあるところや好奇心に合致していたんです。この会社なら、どのチームに行っても楽しめるなという確信がありました。周りで働く方のレベルの高さも魅力でした」

事業の幅広さに惹かれたという宮本ですが、なかでもMN-Coreに初めて触れた時の衝撃が忘れられなかったといいます。

宮本「MN-Coreの第一印象は、『攻めてるなぁ!』でした(笑)。キャッシュがない、jump命令がない、というのは、自分が知っているコンピュータと大きく違っていました。とても攻めた作りになっていて、当時ハードウェアの知見は深くはありませんでしたが、それでも驚いたのを覚えています。こういう技術的に尖った挑戦に入社1年目から関われるのは、PFNで働く上での大きな魅力の一つだと思っています。学生時代の知見や経験をかき集めるだけでは足りないので、常に新しいものを学び続ける必要があります。コンフォートゾーンから少し足が出た状態にいると、毎日成長し続けることができますね」

日本発の最先端チップを世に送り出す。その責任とやりがい

日本でも数少ない自社スパコンを構築するPFN。

計算基盤の心臓部を作るための、新卒2人の挑戦と葛藤とは。

諸戸MN-Coreの能力を最大限に引き出す、革新的かつ使いやすいコンパイラを開発するために重要なのは、問題解決力だと思います。開発上の課題に対して、競技プログラミングで見かけるようなデータ構造やアルゴリズム、考え方を使うこともありますが、MN-Core コンパイラの開発にはさまざまな問題があるので、それだけでは対応できない場合もあります。課題に対してシンプルかつ効率の良い解決策を見出すことを念頭に、あらゆる手段でスマートに現実的に解決できる経験や知識と力が特に重要だと思います」

宮本「『世界一』を目指す計算機を活用する業務なので、前例はなく、常に自分たちで問題を解決していかなくてはなりません。これだけの規模のものをチームで開発しているので、今でも全容把握の段階から苦労します。でも、もがきながらも、その先に正解を見つける楽しさがあります。この大きなプロジェクトで、仲間と自分でベストプラクティスを見つけた時の喜びはひとしおです。日本発のチップを世に送り出す責任として、消費電力を意識した効率のよいプロダクトを作ることもチームで心がけています(※)」

※MN-Coreは省電力性能ランキングGreen500で世界一位を3度獲得しています

PFNの深層学習用スーパーコンピュータMN-3、39.38GFlops/Wの電力効率を記録しGreen500ランキングで3度目の世界1位を獲得 – 株式会社Preferred Networks

尖った知見も、幅広い好奇心も活かせる場所がある

最後に2人から、学生のみなさんへのメッセージです。

諸戸「私は2024年に入社したばかりですが、入社一年目からMN-Core Challengeの運営にも関わりました(※)。手を挙げればたくさんのチャンスも経験も得られる会社です。競技プログラミングのようなアルゴリズム的高速化、AVX や CUDAなど並列化による高速化など、あらゆる手法で計算を高速化したい方、力を貸してください!」

※MN-Core Challenge:最もハードウェアに近いプログラミング環境である「MN-Core 2 アセンブリ言語」を用いてMN-Core向けの簡単なプログラミング課題を実装し、その実行速度を競ったオンラインコンテスト。2024年に第一回を開催しました。
賞金付きプログラミングコンテストMN-Core Challengeを初開催 – 株式会社Preferred Networks

宮本「『コンパイラ』と言っても、PFNのコンパイラエンジニアはアカデミックな側面だけでなく、一般的なコンピューターサイエンスの知識が活かされます。必ずしも学生時点でコンパイラ関連の専門知識は必要ありません。PFNは働きやすさと自由度は高いですが、業務の難易度としてはコンフォートゾーンにい続けることはない環境で、刺激と学びにあふれています。ぜひ一緒にさまざまな研究開発や製品開発にMN-Coreを導入し、顧客課題の解決に積極的に貢献するエンジニアを目指しましょう!

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