次世代AI半導体開発等に向けた資本業務提携に関する基本合意のお知らせ
2024.08.27
SBI ホールディングス株式会社(本社:東京都港区、代表取締役会長兼社長:北尾 吉孝、以下「SBIホールディングス」)とAI技術を活用したソリューション・製品やAI半導体などを開発する株式会社Preferred Networks(本社: 東京都千代田区、最高経営責任者:西川 徹、以下「PFN」)は、次世代AI半導体の開発および製品化に向けた資本業務提携に関する基本合意書を締結しましたのでお知らせします。
PFNは2014年に創業した、AI技術の実用化に必要なハードウェアからソフトウェアまでを垂直統合で開発・提供するスタートアップです。AI半導体の設計・周辺ソフトウェア開発・自社AI半導体を用いたスーパーコンピュータの開発から、生成AI基盤モデルの構築、それらを応用したアプリケーションの開発までを自社で行っており、自社AI半導体を用いた計算基盤を2023年から外部ユーザにも提供しています。
また、設立以来、様々な産業の顧客に対して、最先端のAI技術の実装を推し進めており、大規模プラントの自動運転や、材料開発向けの原子レベルシミュレーションをSaaSで国内外に提供するなどの実績を有しています。
近年ではAIアルゴリズム等のソフトウェア開発に加え、自社設計のAI半導体であるMN-Core™シリーズの開発も進めており、スーパーコンピュータの電力効率ランキング「Green500」では、MN-Core(第1世代)を搭載したスーパーコンピュータが2020年および2021年に世界1位を3度獲得しています。
昨今、生成AI技術の進展から世界的にAI半導体の需要が急速に高まり、供給が逼迫しています。更に今後、AI開発・利用による電力消費は継続的に増大すると見込まれ、高性能かつ低消費電力のAI半導体の開発が求められています。国内では、日本政府が5G促進法に基づきAI半導体への支援を進めており、更に2023年に「半導体・デジタル産業戦略」を策定し、国家の重要戦略として中長期的な国内のデジタルインフラ整備の方針を打ち出しています。次世代AI半導体は、経済安全保障推進法に基づく「特定重要物資」に位置付けられている「クラウドプログラム」整備の中でも中心的な役割を果たしており、その重要性は広く共通認識になりつつあります。
このような環境下において、SBIグループとPFNは資本業務提携に関する基本合意書を締結し、PFNが開発する次世代AI半導体の社会実装を強力に推進していきます。
今回の基本合意に基づき、主に以下の項目で業務提携を検討してまいります。
- PFNの次世代AI半導体の製品化に向けた共同研究ならびに開発
- PFNの次世代AI半導体の製造プロセスにおける後工程の連携
- PFNの資金調達等のファイナンス協力
なお、業務提携の内容は、上記項目に限らず、SBI グループとPFNの双方の合意により拡大する可能性もあります。
SBIグループはこれまでも半導体事業を行うJSMC ホールディングス株式会社を設立し、国内半導体産業の再興による地方創生を推進してまいりました。現在、半導体大手商社である株式会社レスターとの業務提携や、宮城県大衡村における事業予定用地の確保など、半導体事業の拡大を推進しています。SBIグループはPFNとの連携を通じて、次世代AI半導体の国内普及を強力にサポートし、PFNの事業拡大を推進することで、日本における半導体産業の発展に貢献ができるものと確信しています。
また、SBIグループはPFNの次世代AI半導体の製造を行うことで、SBIグループの製造業における認知度向上や、宮城県における半導体製造に向けた半導体生態系の構築による域内での高い経済効果の創出が期待できます。これにより、SBIグループの大幅な付加価値向上と半導体産業を起点とした地方での産業創出のロールモデル確立が可能であると考えています。これらを実現するため、PFNにはSBIホールディングス等を通じて最大100億円規模の出資を予定しています。
【出資概要】
目的 |
国内での次世代AI半導体製造に向けた半導体生態系の構築 |
出資スキーム |
第三者割当増資引受 |
出資実行 |
2024年9月末(予定) |
出資額 |
最大100億円 |
SBIホールディングスとPFNは、引き続き日本の産業振興を推進するべく、半導体産業の活性化に取り組んでまいります。